妊娠をすると、お腹がだんだん大きくなってきます。
お腹が大きくなると腰に負担がかかってしまい、寝る姿勢も取りづらくなり、仰向けで寝ることが苦しくなってきます。寝る姿勢、寝返りをサポートする「抱き枕」は、妊娠中のママ、特にお腹が大きくなり始めたあたりから勧められるようになりました。
そこで、今回は、なぜ妊婦さんに「抱き枕」が必要なのか、また、「抱き枕」の効果や注意点についてご紹介します。
妊婦さんに抱き枕を使うべき理由とは?
妊婦さんに抱き枕は必要なのでしょうか。
ここからは、妊婦さんに抱き枕が必要な理由をご説明します。
睡眠トラブルが起きやすい
妊娠中は、ホルモンバランスの乱れやお腹が大きくなった体形の変化の影響を受けるため、睡眠トラブルが起きやすい状態になります。
人間の体は体温が高い状態だと寝つきが悪くなるようにできていますが、妊娠中に分泌される女性ホルモンの中には、体温を高い状態で維持するものもあります。
女性ホルモンが大量に分泌されていると自律神経にも影響が出るため、眠くならない、寝つきが悪い状態になります。体も骨盤が開き、おなかが大きくなるため、普段の寝る体勢を取るのが難しくなります。
お腹が大きくなると自分の体を支えることも難しくなり、普段とは違う体勢で寝るようになるので、これを補助するために抱き枕が必要になるのです。
安眠へと導くアイテム
普通の枕は頭と布団の隙間を埋めるために使用されますが、抱き枕は就寝時の姿勢を保つためのサポート寝具としても活用されます。
また、抱き枕には安眠効果があり、不眠症の改善にも使用されることがあります。抱き枕に抱き着いて眠る形は、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいた時と同じ体勢だといわれています。
この体制で眠ることにより、お母さんのお腹にいた時を思い出し、安心した気持ちのまま眠ることができるのです。妊娠中はホルモンバランスや体の変化から不安を感じやすい状態になりがちですが、抱き枕には、その不安感を軽減する効果が期待できます。
抱き枕は安心感を与える効果だけでなく、眠っている時の寝返りを助ける効果もあります。妊娠中はお腹が大きくなるので寝返りをうつのが難しくなりますが、抱き枕があれば寝返りをサポートしてくれます。
睡眠時の姿勢を助け、安心感を与えてくれる抱き枕は、妊娠中には心強いアイテムです。
「シムス位」になりやすい
シムス位とは、片膝か両膝を軽く曲げて横向きになる体位のことです。
もともとは、アメリカの産婦人科医が考案した体位で、気道やお腹の圧迫を緩め、リラックスした状態になることができる体位です。妊娠中の女性にとっては一番楽な体位といわれており、子宮が下大静脈を圧迫するのを防ぎ、血流をスムーズにしてくれる効果があります。
つわりや貧血、腰痛等でつらい時は、この体位で寝ると効果的です。抱き枕を使用すると自然にこのシムス体位になるので、安定した状態で寝ることができます。
妊娠中は疲れや体調不良に陥りやすい状態ですから、効果的に休めるよう抱き枕を用意しておくことをおすすめします。
- 左側を下にして寝る
- 左足をまっすぐ伸ばす
- 右足を折り曲げる
- 上半身を少しうつぶせ気味に傾ける(お腹を圧迫しない程度)
妊娠さんにとって抱き枕の効果とは?
妊娠さんに抱き枕をおすすめするのは寝るときの補助というだけではなく、妊婦さんにとってうれしい効果も期待できるからです。
その効果とは、次のとおりです。
安眠効果
先ほど、妊婦さんに抱き枕が必要な理由でもご説明しましたが、抱き枕は横向きで寝る際に妊婦さんの体をしっかり固定し、寝やすくしてくれる他に、安眠効果も期待できます。
これは、抱き枕を抱き込んで寝ることによる胎児姿勢になるということと、抱くという行為に脳を休める効果があるので、心の安心感を得ることができ、安眠することができるからです。
腰痛などの軽減
妊娠中は仰向けで寝るのが苦しくなってくるので、むくみや腰痛に悩む妊婦さんも多いです。抱き枕を使用して寝るようにすると、抱き枕を足の間に挟んで寝ることになるので、足は自然と心臓より高い位置になります。
つまり、足の位置が高くなることで足に溜まってしまいがちな血液が重力の力も得て心臓に戻りやすくなり、むくみの解消につながるのです。
また、横向きで寝る時に、体は方や腰で体重を支えることになるので、関節も含め圧迫されてしまいます。それが原因で腰痛になりやすいのですが、抱き枕は体重による圧迫を分散させ、腰や肩の負担を軽減してくれます。
いびきにも良い
腰や肩への負担が軽くなるので、横向きで寝やすくなるわけですが、これはいびきにも効果的です。横向きで寝ると睡眠中もしっかり気道を確保でき、呼吸をしやすくなるからです。
呼吸がしやすくなるということは、深く眠れることにもつながり、体を安定した状態にする必要がある妊婦さんにとっては、うれしい効果です。
では、妊婦さんはいつから抱き枕を使用するべきなのでしょうか。
妊婦さんの抱き枕はいつから使用すべき?
一般的には仰向けで寝るのが苦しくなってきてから、もしくは妊娠8~9か月目くらいから抱き枕を使用する妊婦さんが多いです。
しかし、それでは遅いという意見もあり、目安としては妊娠20週目以降が良いとされています。ただし、妊婦さんによっては寝やすい姿勢もありますので、無理に抱き枕を使用する必要もありません。
仰向けの姿勢が苦しくなったり、辛くなってきたりと不便を感じたら抱き枕を検討しましょう。
妊婦さんが抱き枕使う際の注意点
寝返りをサポートしてくれる、妊婦さんに欠かせない抱き枕ですが、そんな抱き枕にも注意点があります。使用している素材にもよりますが、抱き枕を抱いて寝ると、とにかく暑いです。
また、妊娠中は普段より体温も高くなるので、妊婦さんは特に熱く感じてしまうかもしれません。
暑さは寝苦しさにつながり、何より汗をかきます。汗を吸い込んだ抱き枕は雑菌の温床になってしまうので注意が必要です。
そのため、抱き枕を使用する際には、通気性の良い素材と、抱き枕のカバーが取り外しのできるものを選び、こまめに洗濯することが大切です。
また、カバーを外したものも、カバーがない抱き枕も、できるだけ天日干しをするようにしましょう。
カバーがない抱き枕は、汗対策にバスタオルを敷くというのも良い方法です。
妊婦さんは抱き枕で快適な睡眠を!
今回は、妊婦さんに抱き枕が必要な理由、抱き枕の効果、注意点などをご紹介しました。
妊娠すると体には様々な変化が起こります。不安や心配、ストレスなどで精神的に参ってしまうこともあるため、リラックスすることは大切です。そのリラックスすることに役立つものが「抱き枕」です。
寝やすい姿勢をとることができ、睡眠の質を高めることができるので、妊婦さんは是非、抱き枕で快適な睡眠を目指しましょう。
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