妊娠初期のつわりの症状と対策法!つわりの種類ごとの解消法を解説

妊娠初期のつわりの症状と対策法!つわりの種類ごとの解消法を解説

こんにちは、助産師ブロガーあかめ(@women_akame)です^^

つわりは多くの妊婦さんが経験しますよね。とても個人差が大きいですが、人によっては全く食事をとれなくなるどころか水でさえ受け付けなくなることもあります。

つわりは食欲不振だけでなく、頭痛やひどい眠気など様々な症状が現れます。生活に支障をきたすこともあるので、しっかり対処したいですよね。しかし、つわりが起きるとどうしようもなく、治まるのを待つしかないという場合も少なくありません。そこで今回は、つわりの症状や原因、対策まで詳しく解説していきます。

つわりの症状

つわりの症状

つわりでは、食欲不振の他に次のような症状が現れることがあります。

つわりの症状の主な例

  • 胃のムカつき
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 好みの変化
  • においに対して敏感になる
  • 便秘
  • 下痢
  • 頭痛
  • 眠気

つわりの症状がほとんど現れなかったという方もいる一方で入院を余儀なくされる方もいたりと個人差がとても大きいため、そのときに現れた症状にしっかり対処することが大切です。

つわりの原因

つわりの原因には、いくつかありますが、実は詳しいことは解明されていません。どのような原因があるのか、詳しくみていきましょう。

ホルモンバランス説

卵子が受精し、無事子宮内に着床すると、胎盤の絨毛組織から、妊娠を維持するために必要なhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌されます。これと同時に、女性ホルモンの1つである「プロゲステロン(別名:黄体ホルモン)」も増え、胎盤が作られ始めます。

主にこの二つのホルモンの分泌が急激に増加しますが、ホルモンの急な変化に身体がついていけないために、吐き気などのつわりが起こると考えられています。

またこのプロゲステロンは消化管の蠕動運動を低下させる働きがあり、妊婦は食べたものを消化させるのに時間がかかるようになります。これによりさまざまな消化器症状が起きると言われています。

身体を休めさせるための合図

つわりは、妊娠安定期に入る12~16週ごろまで続く傾向があります。そのため、つわりは安定期に入るまで身体を安静にさせるための合図だという説があるのです。実際のところ、つわりによって安静にせざるを得なくなり、身体への負担を軽減できます。

アレルギー説

アレルギー反応は、身体に異物が入ったときに起こります。母体が胎児を自分の組織とは異なる「異物」と誤認することで、アレルギー反応として吐き気などの症状が現れるという説があります。

酸性からアルカリ性に戻そうとしている説

妊娠していないときは、身体がアルカリ性に保たれています。しかし、妊娠すると酸性に傾くといわれています。そのため、身体がアルカリ性に戻そうと反応し、吐き気が起こるという説があるのです。ちなみに、野菜はアルカリ性で肉や魚は酸性の食べ物であるため、普段から野菜中心の食事を摂っている方は、つわりが軽い傾向があるとも言われています。

つわりにも種類がある

つわりは、その症状によって次のように分類されます。

吐きづわり

常に気分が悪く、食事を受けつけない状態です。食べ物を口にすると、においに耐えられずに吐くこともあります。また、何も食べていないのに気持ち悪くなり、胃酸を吐いてしまうこともあるなど、つわりの中でも特につらい症状だと言えるでしょう。

食べづわり

食べづわり

吐きづわりとは逆に、お腹に常に何か入っていないと気分が悪くなります。常に食べることで体重が増えすぎてしまい、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病など様々なリスクが上がるため、しっかり対処したいところです。

においつわり

これまでは良いにおいと感じていたのに、妊娠すると気分が悪くなるにおいに変わる場合があります。ご飯が炊ける匂いがだめ、旦那の体臭がだめ、とかいう人もいます。また、生臭い物や冷蔵庫の中のにおいなど、普段なら我慢できる程度のにおいでも気分が悪くなります。

よだれつわり

妊娠中は唾液の量が増えます。自分の唾液によって気分が悪くなることがあるのです。飲み込もうにも気持ちが悪くて飲み込めず、唾液を吐くために繰り返し洗面所に行く方もいます。

眠りつわり

耐えがたい眠気に襲われます。実は、眠気もつわりの症状の1つだと考えられているのです。常に眠いため、仕事や家事に支障をきたすことも少なくありません。

つわりの種類ごとの解消法

つわりには様々な種類があるので、症状に合わせてしっかり対処することが大切です。具体的な対処法をご紹介します。

吐きづわりの解消法

吐いてばかりいることで、赤ちゃんに栄養が行きわたらなくなるのではと心配になる方もいるでしょう。

妊娠初期の場合は、つわりで食べられなくてもこの時期は赤ちゃんが小さく、赤ちゃんの成長に悪影響が及ぶ心配はほとんどありません。だいたい12〜16週で症状が自然に落ち着くので、それまでは食べれるものを食べるようにしましょう。
また朝や空腹時に症状が強くなる傾向があるので、食べれるものを食べれる時に摂取するなど工夫しましょう。食べれるものも個人差がありますが、水分が多く、冷たいもの(果物、トマト、卵豆腐、そうめん、アイス…etc)が食べやすいことが多いです。

そのほか、頻回に少量ずつ食事をとる、消化の良いものを摂取する、酸味や香味が適度にあるものを食べる、食後すぐに横にならない、頭を少し高めにして休む、嘔吐が多い場合は水分補給をまめにとる、無理せず夫などに頼る、なども対処法として有効です。

また、歯ブラシや歯磨き粉によって嘔気が誘発されるという方は、虫歯に注意です。妊娠中はもう一つの女性ホルモンエストロゲンの働きによって歯周病原細菌が増殖し、プラークの停滞・細菌の増加が引き起こされ虫歯となりやすい環境にあるので、注意が必要です。

自治体によっては妊婦が無料でしか健診を受けることができる無料クーポンを配布されるので、つわりが落ち着いた頃などに健診を受けることもおすすめします。

あかめ
虫歯は早産や低出生体重児出産のリスクが高まるとも言われています。口腔ケアも怠らないようにしましょう。

食べづわりの解消法

食べづわりは、少しでも胃に食べ物があれば治まる傾向があるので、1回の食事量を減らし、食事の回数を増やすとよいでしょう。外出時に気分が悪くならないように、手軽に食べられる小さいおにぎりやバナナなどを持ち歩くことをおすすめします。

ただカロリーの高いものは注意が必要です。食べづわりの人は体重が増加しやすいと言われています。フライドポテトなど油っぽいもの、ファーストフードなどが食べたくなるというのが食べづわりの人に多いようです。「妊娠したから2人分食べていい」というのはもちろん迷信で、妊娠初期はカロリーでいうと50kcal程度です。50kcalと言えば、ロールパン半分、バナナ半分、ポテトチップスでいうとわずか3枚に当たります。

妊娠中の過度な体重増加は、妊娠高血圧症候群、肩甲難産、胎便吸引症候群、分娩損傷、妊娠糖尿病、新生児低血糖など様々なリスクが高まります。妊娠初期から体重の増えすぎに注意していきましょう。

においつわりの解消法

まずは、気分が悪くなるにおいを把握することが大切です。傾向がわかれば、そのにおいを徹底的に避けることで対策できます。生臭いものや冷蔵庫の中のにおいの他、ご飯が炊けるにおいやシャンプーのにおいで気分が悪くなる方が多いです。

家事はできるだけ家族に手伝ってもらい、常にマスクをつけておくのもよいでしょう。

よだれつわりの解消法

妊娠中は口の中の唾液量が増えますが、この唾液量を減らすことで解消できます。

こまめに唾液を吐きだし、うがいをするとよいでしょう。しかし、外出中は簡単に唾液を吐きだせないので、ティッシュなどを少し多めに持ち歩いておくとよいかもしれません。また、飲み物を飲んでも口の中をスッキリさせられます。

眠りつわりの解消法

眠りつわりの解消法

眠いときは寝るしかありません。仕事や家事、上の子のお世話などに追われてなかなか睡眠時間を確保できない方もいるかもしれませんが、少しでも多く眠れるように、時間を見つけて横になることが大切です。

仕事においては、休憩時間に眠ると周りに不快感を与える可能性があります。そのため、妊娠していることを伝えておき、理解を得るようにした方がよいでしょう。

あかめ
私は眠りつわりでした。普段家にいると眠くなるのですが、仕事など集中している時はあまり眠くなりづらかったです。家にいる時はとにかく寝てました。

つわりが酷い場合は妊娠悪阻の可能性も

妊娠悪阻とは妊娠によって起こる激しい吐き気や嘔吐によって体重が減ったり、脱水症状になることを指します。

頻回な嘔吐、食事摂取がほとんどできない、5kg以上体重が落ちて、脱水飢餓状態となった人は、つわりではなく妊娠悪阻の状態と診断されます。つわりに対し、色々な対処を施しても、妊娠悪阻の可能性がありそうな場合には無理せずすぐに産科を受診しましょう。

妊娠初期は食べられなくても赤ちゃんへの悪影響はないと前述しましたが、そこまで食べられないと、赤ちゃんがビタミンB1欠乏によるウェルニッケ脳症を生じる可能性がでてきます。そのため、入院をしてビタミン類と水分の点滴をする必要があります。

妊娠したらあなたは立派なママです。赤ちゃんのことを守れるのはママしかいないので、ご自分の体調をしっかり把握し、適切な対応をするようにしましょう。

私のつわり体験談

私の場合は気持ち悪くなったり、嘔吐などはありませんでしたが、眠りつわりで、どんなに寝ても、眠気が襲ってきました。

仕事中などは集中しているからか、幸いにも眠気は我慢できる程度でした。休みの日は一日中寝ていました。家事などもする時間はなくサボりがちでしたが、旦那に理解してもらい、家事などを手伝ってもらうようにしてもらいました。

ご飯に関しては、量を食べれなかったのですが、お腹は空きやすく、常時、軽食(クッキー)などを用意して食べていました。

私の場合、妊娠15週目でつわりの症状が終わりました。辛い時もありましたが、つわりの症状が終わってみればそんなでもありませんでした。家族などにもきちんと話して家事など手伝ってもらったり、無理をしないで、休めるときは休むを心がけるようにしていました。

まとめ

つわりは、多くの妊婦さんが経験することです。つわりによって赤ちゃんに悪影響が及ぶ心配はほとんどないので、過度に心配しないことが大切です。ただし、妊娠悪阻の状態になったら入院治療が必要ですので、遠慮なく産科を受診しましょう。

つわりの症状には個人差があるので、自分のつわりの特性をしっかり把握して、適切に対策するようにしましょう。

ママ、がんばりましょう!

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ABOUTこの記事をかいた人

30代の助産師ブロガー。 高校を卒業するまで海外で過ごし、20代で丸の内OLや海外でボランティアを経験。海外ボランティア先で出会った助産師に衝撃を受け、30歳から助産師を目指すことに。現在は助産師として働き始め、妊娠中のママや赤ちゃんと向き合っています。 「女性が笑顔になれる社会を目指す!」を目標に、これまでの女子活や助産師の経験を活かし、お役に立てる情報をブログで発信しています。