こんにちは、助産師ブロガーあかめ(@women_akame)です^^
妊娠初期には、葉酸をしっかり摂るべきというのを聞いたことがある方もいるでしょう。しかし、その理由や具体的な摂取量についてご存知ない方は多いのではないでしょうか。葉酸は必要不可欠な栄養素なので、正しい知識を身につけましょう。
ここでは、妊娠したら葉酸を摂るべき理由や足りないことによるリスク、摂取量の目安などについて詳しくご紹介します。
葉酸の効果
葉酸は、妊娠4週~15週目まで意識的に摂ることが大切です。葉酸を摂ることで、どのような効果を得られるのか詳しくご紹介します。
神経管閉鎖障害のリスクを抑える
神経管閉鎖障害は、葉酸不足が発症の要因の1つと考えられている先天異常です。葉酸は、細胞分裂のために必要なDNA合成に深く関わっている成分です。そのため、葉酸が不足すると細胞分裂がうまくいかず、脳や脊髄などの重要な器官の形成に異常を生じさせる可能性があります。
神経管閉鎖障害には、脳がうまく作られない無脳症、脊髄がうまく作られない二分脊椎症があります。無脳症は、そのほとんどが死産となり、生まれても間もなく死亡する可能性が高いとされています。
二分脊椎症では、下肢の運動障害や排泄障害などが現れる可能性があり、さらには水頭症を高確率で発症するため、適切な治療を行わなければ脳に障害が起こる恐れがあります。
貧血の予防
貧血には、鉄分不足による鉄欠乏性貧血と、葉酸不足による巨赤芽球性貧血があります。
妊娠中は血液の必要量が増えるので、鉄と葉酸の両方が不足することがあります。そのため、鉄だけではなく葉酸も意識的に摂ることが大切なのです。
葉酸の摂取量の目安
葉酸は、身体に溜めておくことができない栄養素です。そのため、毎日意識的に摂り続けることが大切です。妊娠初期における葉酸の摂取量については、厚生労働省が次のように定めています。
- 食品から240マイクログラム
- 食品とは別でサプリから400マイクログラム
葉酸サプリの多くは1粒400マイクログラムとなっているため手軽に摂れます。また、サプリには、吸収率が高い合成モノグルタミン酸型の葉酸が含まれているため、葉酸を効率よく摂ることができます。
葉酸を摂るタイミング
細胞分裂は、妊娠検査薬でも確認できないほどの妊娠超初期から行われています。そのため、妊娠を望んでいる方は、普段から葉酸を意識的に摂ることが大切です。また、妊娠15週目頃までは継続して摂るようにしましょう。
ただし、葉酸は授乳期まで必要な栄養素であるため、摂取は続けた方がよいと考えられます。
葉酸を含む食べ物
葉酸は、次のような食べものに含まれています。
ほうれん草
100gあたり110マイクログラムの葉酸が含まれています。その他、鉄分も豊富に含まれているため、貧血対策におすすめです。
納豆
100gあたり120マイクログラムの葉酸が含まれています。ご飯にかけて手軽に摂れるため、葉酸の摂取に適した食品と言えるでしょう。
焼きのり
1枚あたり約271マイクログラムの葉酸が含まれています。簡単に葉酸の必要量を満たすことができます。ご飯に巻いて食べるなど、普段の食事にぜひ取り入れてください。
いちご
100gあたり90マイクログラムの葉酸が含まれています。さっぱりとした味わいなので、つわりが起きていても食べやすいでしょう。
バナナ
100gあたり26マイクログラムの葉酸が含まれています。つわりの軽減が期待できるビタミンB6が多く含まれているため、妊娠初期に摂るのにおすすめです。
葉酸を効率よく摂るコツ
葉酸は、水に溶けだす性質を持っています。そのため、野菜を洗いすぎると葉酸が溶けだして、十分な量の葉酸を摂れなくなるのです。また、熱にも弱いため、できるだけ生で食べることが大切です。
しかし、場合によっては生では食べられません。できるだけ熱を通さない蒸し料理にして食べることをおすすめします。
葉酸サプリの選び方
葉酸サプリは非常に多くの種類があるため、十分な効果が期待でき、赤ちゃんに悪影響を及ぼさないものを選ぶことが大切です。葉酸サプリを選ぶときは、次のようなことを考慮しましょう。
添加物が含まれていない
赤ちゃんに悪影響が及ぶような添加物の使用は認められていませんが、毎日飲むものなので、添加物をできるだけ含まない葉酸サプリを選びたいところでしょう。
無添加と記載があっても、一部の添加物のみが含まれていないだけの可能性もあります。
パッケージに記載された成分を確認し、保存料・着色料・甘味料などが含まれていない葉酸サプリを選びましょう。
信頼できる販売元
企業のホームページが存在しなかったり、検索してもヒットしなかったりする販売元の葉酸サプリは避けた方がよいかもしれません。必ずしも大手企業の葉酸サプリが良いとは言い切れませんが、少なくとも信頼できる販売元の葉酸サプリを飲むようにしましょう。
現役産婦人科医が考えた葉酸サプリ
産婦人科医 & 管理栄養士によるダブル監修の「葉酸サプリ」
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他に含まれている栄養素に注目
葉酸サプリは妊娠初期の方が飲むため、つわりの緩和が期待できるビタミンB6などの栄養素が含まれていることがあります。ビタミンB6は代謝に関わる栄養素で、健やかな身体へと導く役割を果たします。
葉酸の摂りすぎに注意
厚生労働省は、葉酸の上限摂取量を1,000マイクログラムと定めています。葉酸の過剰摂取により、むくみや吐き気、不眠症、食欲不振などの症状が現れる可能性があるので、くれぐれも注意しましょう。
とは言え、加熱調理によって失われやすい葉酸は、普段通りの食事で摂りすぎる心配はほとんどありません。葉酸を摂りすぎる原因は、葉酸サプリの過剰摂取です。1日2粒飲むタイプから1粒飲むタイプに切り替えたが、誤って2粒飲んでしまっていたという場合には、上限摂取量を超えてしまう可能性があります。
すでに飲んだのに飲んでいないと思い、過剰摂取してしまうことも考えられるでしょう。1日の決まった時間に飲むようにすれば、飲み忘れや飲みすぎを防ぐことができます。
まとめ
葉酸は、妊娠を望む方や妊娠中の方に欠かせない栄養素です。ほうれん草や焼きのり、バナナなどに含まれており、普段の食事に加えてサプリからの摂取が推奨されています。
葉酸ばかり摂っていては体調を崩す可能性があるので、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。葉酸を含む食品やサプリをうまく取り入れて、健やかな妊娠生活をおくってくださいね。
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